神山の中腹、標高900mほどの高い位置にあり、街道筋から離れていることもあって、いわゆる温泉街は形成されていない。
大正期の建物を残してかつての湯治場の雰囲気を伝える「秀明館」は、いまも岩盤から自然湧出する源泉を利用し、2010年現在、立ち寄り湯として営業している。秀明館の裏手には箱根権現社のほか、眼病快癒御礼の奉納幕や石仏が残される薬師堂、金太郎の母親とされる姥を祀った山姥堂がある。
秀明館南側の林の中に、江戸中期の本草学者・野呂元丈が湯治に訪れた際に詠んだ漢詩が彫り付けられた天然の巨岩「望湖石」がある。かつてこの地は野焼きのため草木が生えておらず、芦ノ湖が望めたことからその名が付けられたという。東方向には、大涌谷へと上る1kmほどの散策コース「自然探勝歩道」が整備されている。
周辺には保養施設やリゾートホテルが立地しており、姥子の湯を引いて利用するところも少なくない。斜面を下った仙石原や桃源台にも姥子から引湯をする施設がある。
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