姥子温泉

Fri, 08 Aug 2014 17:15:39 JST (3558d)
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姥子温泉(うばこおんせん)は、神奈川県足柄下郡箱根町(旧相模国)にある温泉。姥子の湯。

箱根カルデラの中央火口丘最高峰、神山の北西斜面に位置する。箱根温泉郷を構成する温泉群の中でも歴史の古いもののひとつであり、箱根七湯に当温泉を加えて箱根八湯と称することがある。また、芦ノ湖温泉、蛸川温泉と合わせて元箱根温泉と称することがある。

アクセス Edit

泉質 Edit

  • 単純温泉
  • カルシウム-硫酸塩泉
  • ナトリウム-硫酸塩泉
  • 源泉温度 : 44 - 63℃

温泉街 Edit

神山の中腹、標高900mほどの高い位置にあり、街道筋から離れていることもあって、いわゆる温泉街は形成されていない。

大正期の建物を残してかつての湯治場の雰囲気を伝える「秀明館」は、いまも岩盤から自然湧出する源泉を利用し、2010年現在、立ち寄り湯として営業している。秀明館の裏手には箱根権現社のほか、眼病快癒御礼の奉納幕や石仏が残される薬師堂、金太郎の母親とされる姥を祀った山姥堂がある。

秀明館南側の林の中に、江戸中期の本草学者・野呂元丈が湯治に訪れた際に詠んだ漢詩が彫り付けられた天然の巨岩「望湖石」がある。かつてこの地は野焼きのため草木が生えておらず、芦ノ湖が望めたことからその名が付けられたという。東方向には、大涌谷へと上る1kmほどの散策コース「自然探勝歩道」が整備されている。

周辺には保養施設やリゾートホテルが立地しており、姥子の湯を引いて利用するところも少なくない。斜面を下った仙石原や桃源台にも姥子から引湯をする施設がある。

歴史 Edit

およそ3千年前に神山が水蒸気爆発を起こした際の岩屑なだれと、その後の冠ヶ岳形成に伴う火砕流堆積物が層を成す、扇状地の要(かなめ)にあたる扇頂部付近に湧出する。

開湯は古く、遅くとも鎌倉時代には眼病に効く湯としてその存在が知られていた。姥子の名は、金太郎こと坂田金時にまつわる伝説に由来する。枯れ枝で傷めた金太郎の目を、母親である山姥(乳母との説もある)が箱根権現のお告げに従ってこの湯で洗い、完治させたと伝えられる。

山深い湯治場として歴史を重ね、江戸時代・天保年間の温泉番付では東の前頭22枚目にその名が挙がっている。街道筋から離れているため箱根七湯には数えられなかったが、歴史の古い当温泉を加えて箱根八湯の名で呼ばれることがある。

周辺は近年、芦ノ湖や富士山を望むリゾート地として開発されている。